ダイヤモンドの硬さと弱点【硬度と靱性と劈開性】
今回は、世界一硬いといわれるダイヤモンドについて、
その秘密を探ってみたいと思います。
まず、ダイヤモンドの基本情報から・・・。
■基本情報
◆モース硬度(こすり合った際に、どちらに引っかきキズが付くか):10
例)ダイヤモンドとルビーをこすり合った際、ルビーはキズが
付くが、ダイヤモンドには付かない。
→ ダイヤモンドの勝ち!
【モース硬度表】
※数字が高い方がキズがつきにくいです。
モース硬度 | 宝石名 |
10 | ダイヤモンド |
9 | ルビー、サファイヤ |
8.5 | アレキサンドライト、キャッツアイ |
8 | エメラルド、トパーズ、アクアマリン |
7.5 | ガーネット、トルマリン |
7 | アメシスト、翡翠 |
6.5 | タンザナイト、ペリドット |
6 | オパール、ターコイズ(トルコ石) |
5.5 | ラピスラズリ |
5 | アパタイト |
4 | マラカイト |
3.5 | コーラル、真珠(パール) |
3 | 大理石、カルサイト |
2 | 石膏(せっこう)、琥珀(こはく) |
1 | 滑石(かっせき) |
◆靭性(たたき合った際に、どちらが割れたり欠けたりするか):7
例)ダイヤモンドとルビーをたたき合った際、ダイヤモンドは
割れたり欠けたりするが、ルビーはしない。
→ ルビーの勝ち!
【靭性表】
※数字が高い方が割れや欠けに強いです。
靭性 | 宝石名 |
8 | ルビー、サファイヤ |
7.5 | ダイヤモンド |
6 | ペリドット |
5.5 | エメラルド |
5 | トパーズ |
3.5 | アパタイト |
■ダイヤモンドの硬さの秘密
ダイヤモンドを構成する物質は、実は炭素(C)です。
ダイヤモンドは炭素のみの結晶で、その結晶構造が密で原子と原子の結びつき方が
非常に強いことが、世界一硬いといわれる秘密です。
イメージでいうと、やさしく握ったおにぎりと力いっぱい握ったおにぎりの食感が
違うような感じでしょうか?
やさしく握ったおにぎりはふんわり仕上がりますが、力いっぱい握ったらおにぎりは
ぎゅっとかたく仕上がってしまう。つまりぎゅっとカッチカチに硬くなったおにぎりが
ダイヤモンドです。
■ダイヤモンドの弱点?
◆劈開性(物質は規則的な原子の配列により、強い方向と弱い方向がある):あり
例)木材でいうと、木目に沿って切るのはたやすいが、木目に直角に
切るのは困難であるようなものです。
この劈開性がダイヤモンド唯一の弱点と言ってもいいかも知れません。
しかし、この劈開性があるおかげで、皆さんの知っているダイヤモンドに
カッティングできるのも事実です。もし劈開性という弱点がなければ、
キレイなカッティングされたダイヤモンドはこの世に生まれず、
ただの世界一硬い石で終わったかもしれません。
>>ダイヤモンドの鑑定書について